太陽の勇者 ファイバード



  ● 燃えよ、二代目!

    「勇者エクスカイザー」の感動覚めやらぬうちに始まった2つ目の勇者シリーズ、ファイバード。

    実を言うと私、始めはちょっとなじめませんでした。
    それはなぜかと言うと、エクスカイザー以外の勇者を認めたくなかったから・・・ではなく
   単に絵柄が気に入らなかったからです。エクスカイザーの絵に慣れてしまっていたので、仕方ない
   と言えは仕方ないんですが。
    おかげで第1話見逃しちゃいました。

    でも、絵に慣れてくると面白い!
    なんでも頼れてとっても真面目なエクスカイザーに対し普段は天然ボケボケで戦闘の時にも
   大捕物の前口上を述べちゃう宇宙警備隊ファイバードこと火鳥勇太郎兄ちゃん、わんぱくで元気
   溢れる少年のケンタ君。シリーズ初の天才科学者、天野博士(この後のシリーズで続々とこんな
   天才科学者のじいさんが増えてくる)。
    エクスカイザーの面影を一気に払拭してくれるパワーあふれるメンバーです。

    敵も、全宇宙のマイナスエネルギーを糧とする宇宙皇帝ドライアスを筆頭に、ドライアスの部下で
   アンドロイドに宿った意識体、シュラとゾル。そのアンドロイドを作った自称天才科学者のDr.ジャンゴ。
    こちらもエクスカイザーとは違って真っ向から悪の花道を突き進むおどろおどろしい、というか
   凄まじい面々です。

    ・・・と、すみません。なんか、エクスカイザーとの比較ばっかり入っちゃって。
    なにせ、昔の記憶を辿っているので、こう言ったきっかけが無いと詳しく思い出せないんです。

 

    この物語での名物と言ったら、やっぱり天野博士の数々の発明品でしょう。
    1話につき1〜3個のペースで発明品が出る。さすがは天才。
    しかし、それが実用に耐えるかどうかは別問題(笑)。
    当たりはずれが大きいんです、この人の発明品。

    で、実を言うと火鳥兄ちゃんもそんな発明品の一つだったりするのです。
    天野博士が造ったアンドロイドに意識体であるファイバードが宿ったものが、火鳥勇太郎なのです。

    それでこの火鳥兄ちゃん、地球の事情をよく知らないということでボケボケぶりを発揮!
    多分、そのボケっぷりは全勇者随一だと思われます。
    時代劇が大好きで、その言い回しをよく使い、幽霊が見える、なんて変な特技を持ってたり
   ボールを投げればヘロヘロの球か木をぶち抜くほどの豪速球しか投げられない。
    そんな火鳥兄ちゃんを見るのは楽しいんだか恥ずかしいんだか(笑)。

    余談ですが、火鳥兄ちゃんをやっている声優さん、松本保典さんは「スレイヤーズ!」でガウリィの
   声もやっていらっしゃいます。で、あのガウリィのボケっぷりの原点は火鳥兄ちゃんにあるのでは
   ないかと・・・・・・

 

    このファイバードから始まった勇者シリーズの定番があります。
    それは、サポートメカの強化合体。
    ファイバードの仲間である3体のロボット・ガードチームが合体してガーディオンというロボットに
   なるのですが、このガードチームに新メンバー・ガードウィングが加わってスーパーガーディオンに
   パワーアップします。
    このサポートメカのパワーアップはファイバードが最初で、それは後のペガサスセイバー(ダ・ガーン)
   バトルボンバー(マイトガイン)、スーパービルドタイガー(ジェイデッカー)・・・・・・へと続いていくのです。

 

    そして・・・これはこのシリーズオンリーだろうな・・・
    悪の大ボス・ドライアス、なんと、敵なのに、しかも大ボスなのに「合体シーン」があるのです。
   勇者の特権とさえ思っていた「合体シーン」がっ!!
    しかもこれがくやしいくらいにかっこいい! ああ、「暗黒合体ドライアス」とかいっておもちゃ出ない
   だろーか・・・・・・

 

    心に残る話、といったら、やっぱり最終決戦でしょうね。
    プラスエネルギー生命体であるファイバードが活動できないマイナスエネルギーの中での
   オーガニック・ドライアスとの死闘。仲間が送るプラスエネルギーでなんとか動くものの、やがて仲間達
   も力尽きていく。
    けれど、ファイバードは諦めない。
    ファイバードとドライアスの最後の激突。
    そして、壮絶なる相討ち・・・・・・

 

    ファイバードの最期
    誰もが認めたくない結末。
    そう、みんな認めたくなかったんです。

 

    戦いの後、払っていなかった莫大な税金を友人に肩代わりしてもらって「天野レスキュー隊」として
   再出発を切った天野研究所。
    けれど、天野博士が作った消火マシンの調子は相変わらず悪く、せっかくの救助活動もままなりま
   せん。
    そこにひょっこりと現れた一人の青年。
   そうです・・・

     火鳥兄ちゃんは、帰って来たんです

    誰もが望んでいた笑顔。
    それを、むかつくぐらいにさわやかな微笑みと共に持って帰って来たんです。

    この結末には、賛否両論あります。
    コウタ君とエクスカイザーは別れてしまったんだから、ケンタ君とファイバードも別れたきりに
   するべきだったのではないか、と。

    けれど、私はこの結末でよかったんだと思います。

    火鳥兄ちゃんが生きて戻ってきた。
    それは、ファイバードの勇姿を見つめ続けてきたみんなが、願っていたことなんですから

 

    太陽の勇者・ファイバード。
    その名の通り、太陽のような笑顔を持つ火鳥兄ちゃんは、私の憧れです。

 (2001.1.31)