七星勇者フェリスヴァイン
漆黒の闇に浮かぶ『暗黒の使徒』基地・ゲシュペンスト。
その闇の中心部、暗黒大帝ドルガイザーが座する『黒帝の間』。その中で、二つの影が
対峙していた。
一つは、目元を覆う金色の仮面を身に着けた少年、『暗黒の瞳』闇元帥。
もう一つは、その身の大半を機械と化した『四星士』の一人、邪霊士・ヴァンダーツ。
闇元帥「で、用件はなんですか、ヴァンダーツさん?」
闇元帥の問いかけに、ヴァンダーツはまるで機械音のような言葉を話す。
ヴァンダーツ「進言。『暗黒の使徒』作戦目的について」
闇元帥「なにか、問題でも?」
ヴァンダーツ「勇者打倒、重要、しかし、最優先にあらず。
最優先事項、『バニシングポイント』、探索」
『バニシングポイント』という言葉が出てきた時、闇元帥の眉がわずかに跳ねあがった。
そして、目の前のヴァンダーツを見つめ、口の端をかすかに吊り上げる。
闇元帥「確かにその通りですね。で、その探索をあなたがやると?」
ヴァンダーツ「命令と、あれば」
闇元帥「ふふふ……そうですね。そろそろ、我々の本来の目的を果たしても
いい頃合いでしょう」
そこまで言って、闇元帥の表情が引き締まった。いや、外見上の変化は仮面のせいで
よく解らないが、伝わってくる雰囲気がそれを伝える。
それを感じ取ったヴァンダーツは、片膝をついてひざまずいた。
闇元帥「ヴァンダーツ、及び、全ての四星士に命じます。
『バニシングポイント』を探索し、『大いなる無色の力』を奪取しなさい!」
ヴァンダーツ「御命、了承!」
ヴァンダーツのマシンアイが、闇の中でひときわ明るく輝いた。